鋼の教えと 闇を司る魔

日記と映画メモ

ひるね姫を見てきた話

映画、ひるね姫~知らないワタシの物語~を見てきた。

 

作品についての情報はほとんど知らないまま(トレイラーを何本か見た程度)、神山健治監督がリブートしたという話だけで見に行くことを決めた。

 

見終わった感想としては「なんかしらん好き」「肩の力を抜いて最後まで見れる」という、今までの神山作品とは若干方向性の違うものだった。このシーンがいい!この絵がいい!とピックアップできるものではなく、全体的にふんわりと空気の良さが漂っていた。

途中いくつかの箇所で神山節と言うのか、独特の目くばせ(自宅に帰る、の”自宅”の意味とか)や間の取り方、光の使い方があったが、全体の間は非常に穏やかなまま最後まで走り続けた。だが、その中心には主人公であるココネと友人であるモリオ、そして父親と祖父、気づかなかった母親…いわゆる家族との関係が示されている。

そしてエンディングで流れる、デイドリーム・ビリーバーと過去の父と母の話…いやもう、映画本編のラストで若干目が潤んでいたのに、ラストで不意打ち受けたうえにその後何があったのかを察してしまい、大の大人がボロボロ泣いてしまった。 

(偶然友人がそばにいたので、見られないようダッシュで逃げた)

 

ヘビーローテーションで、すぐに何度も見返そう、という作品ではない。

そういう意味では今向きの映画ではないのかもしれない。でも、ふとした時に、例えば自分ひとりでは抱えられないダメージを負った時に、なんとなく見返したくなる、楔を打つような作品だ。

 

次回作にどんな方向につながるんだろう…と楽しみにしている。 

 いやぁ、楽しい映画だった。

 

 

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というかね、前作の009(Re:Cyborg)が終わった後、帰ってこれるのか他人事ながらスゲェ心配で。

シンゴジのエンドロールの企画協力に名前が載っていたのを見ただけで嬉しかったし、新作映画を作ると聞いただけで安心した。シンゴジではシナリオ初期案…大枠まとめまで関わっていたらしい。都市の破壊、政治と米国とのしがらみ、ラストの〆方あたり、見ながらすげぇ”神山っぽさ”を感じたので、エンドで名前が出たときに思わず声が出たし、若干泣いた。本編で泣かなかったのに。

 

本当に、次にどんな話が見れるのか。楽しみでしょうがない。