鋼の教えと 闇を司る魔

日記と映画メモ

シン・ウルトラマンが面白かった話

5/13に、シン・ウルトラマンが公開された。
この作品を、心底楽しみにしていた。世界でいちばん特撮を、ウルトラマンのことを好きな2人組。庵野秀明が脚本を書き、そしてついに樋口真嗣が特撮映画を監督するからだ。

 

以下、感想。

うーーーーーん。
自分は基本的に、感情でものを書くのがニガテで。
”好き”だというのも、なぜ好きなのか、自分で分析しないと気が済まない。

なんだけど、この作品については「すげぇ好きだわ」としか言いようがない。
いくつか理由を書き並べてみたけれども、上滑りする。
こんな不思議な優しさと心地よさを感じさせてくれる、この映画には感謝しかない。

初回観終わって、なんで泣いているのかわからないほど心を動かされて。
2回目を観終わって、ウルトラマンの限りない優しさに気づかされて。そしてまた、何かのタイミングで観に行きたいと考えている自分がいる。

ウルトラマンっていったい何か?
自分はヒーローもの、つまり理不尽な暴力やお互いの生存理由から相いれない怪獣から、力を持つからこそ人間を守ってくれる存在と考えていた。
しかし、それは少し違った。
仲間を守り、群れで動き、それが心地いい「人間」という他者と、ウルトラマンという(人間の立場から見ると)孤独な存在の交流が主軸となっている。
交流の結果、お互いを尊重し、守りたいという立場から共闘する。
そういう物語だと気づかせてくれた。

気づかせてくれたことに感謝。
そして「ウルトラマン好きだぞ!」といたるところで画面に見せてくれる、その心意気に嬉しさしかない。

 

あぁ、もっとこの続きが見たい!
難しいかもしれないけれども、禍特対の活躍と、さまざまな智謀を巡らせ地球に襲来する侵略者たちの姿を、みたくてしかたがない。

 

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細かいシーン、あのキャラのアレがとか、あのシーンの流れがとか言い出すときりがない。
というか、全部のシーンが好き。
特に、室長がいい。ザラブが来訪した瞬間、班長が銃を抜こうとするのを止め、来訪の目的を言葉で確認するところ。
米軍機での爆撃費用をそっと防衛省に回すところ、外星人の科学力に打ちのめされるチームメンバーを元気づけるところ。

すべてにおいて、ツボに入った。

 

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…で、だ。
ここまでベタホメしておいて、ヤボな話だけれども。

この映画を「樋口真嗣監督作品」と、どの程度のひとが認識しているのだろう。
そもそも庵野秀明が”監修”として手を入れており、どうも追加撮影や編集に大きく手を入れているらしい。

シンゴジラの時も(メイキングでその姿が映っているが)、監督というスタンスながら場のコントロール庵野自身が取っていた。

樋口真嗣のコントロールした作品が観たい。
もっと踏みこんで言えば、樋口真嗣が好きなように撮る、新しいガメラが観たい。
平成ガメラを超える作品を撮れるのは、樋口真嗣自身しかいないのだから。