CINDERELLA GIRLS TRIBUTE Ⅰ を読んだ話
冬コミで手に入れた同人誌、CINDERELLA GIRLS TRIBUTEが面白すぎたので、感想をメモする。
…といっても、1巻がでたのは2017年の夏コミ。冬コミでは2巻が新たに頒布されている。1巻未入手だったため、まずはこちらから…と読んでみたら、まぁこれが面白いこと。なので、2巻を読む前に1巻の感想からまとめることにした。
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1. Only one life.Just one life/吉上 亮
シンデレラ3人目のロックアイドル、松永涼の話。
タイトルは涼の歌”One Life”の歌詞から。ゲーム内の断片的な情報から、友人との関わり、ロックとの関りを中心に、松永涼というひとりのアイドルがどんな人物かを丁寧に構成し書き上げられている。特に、先行してロックアイドルとして登場している多田李衣菜、木村夏樹との絡みは絶品。親友である白坂小梅との距離感もたまらない。
涼が”One Life”を手に入れたのが3月、ライブで初披露されたのが5月、この本が書かれたのが8月前…と時系列を追うと…あぁ、夏にこの話を読みたかった!
余談だが、作中で登場する渋谷のライブハウスはShibuya O-ESTだろう。過去に765プロが実際にライブを行った場所でもある。あの時の、あの場所の熱気を知っているとライブシーンの思い入れも深い。(本当にラブホ街のド真ん中で、カップルやらに迷惑かけたなぁ…)
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2. エスパーアイドルの消失/伏見 完
堀裕子…ユッコの”力”をめぐる話。
シンデレラのアイドルは、皆”一芸”ともいえるフックとなる魅力を持ち備えている。ユッコの場合、それは”エスパーである”ということだ。…それも、自称の。
ゲーム内ではネタ的に扱われているが、この話では「もし本当にエスパーだったら?」を軸に、彼女の魅力を書き出している。特にオーディションでのエピソードは思わず笑ってしまうが、同時に深くうなずける。彼女はひたむきで優しく、そして周りをグッと引き込む力を持っていることを再確認できる。
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3. フィルナスの星/柴田 勝家
成宮由愛のデビューをめぐる話。
3作中最大の問題作。書き出しから「僕が最後にアイドルというものを見たのはいつだったか。少なくとも、それはまだ東京に核爆弾が落ちる前のことだったはずだ。」ではじまり、その後に語られる主人公は退役した遠隔操縦機のパイロットという現実離れした設定だ。
…しかし、読み進めるとこの話がキワモノではないことがわかる。これは、自分を失った男と、自分をまだ知らないアイドル候補の女の子の話だ。フィルナスの星、室内でしか輝くことのできなかった星を、新たに大きく輝くひとつの星としてデビューに導く様を描く。
正味、日本が崩壊した…という設定がどこまで効いているのか難しいが、幻想的なラストシーンはこの世界でなければ描かれなかっただろう。
プロデューサーである読み手には、特にザックリと刺さる…いや、卑怯だよコレ。
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どの作品も強烈に面白い。そして間違いなくシンデレラの、アイドルマスターの話だった。
今のところ同人誌の形でしか入手できないので少し難しいが、機会があればぜひ読んでほしい。自分はオススメできるよう、次の夏コミで(もしあれば)もう1セット手に入れるつもりだ。
さぁ、つづいて2巻を読むぞ。次も楽しみだ。