鋼の教えと 闇を司る魔

日記と映画メモ

2023年に観た映画

2023年に観た映画で、印象に残ったものをメモする。
書きおこすもの以外にも結構観ている。例えばアステロイド・シティとかも楽しく観て、印象に強く残っているのだけれども、あの映画を自分の言葉で整理できるほど消化できていない。
自分が言葉に残せるものを、書きおこしていきたい。

 

《シン・仮面ライダー
コレを映画というのか、いまだに悩んでいる。
いちばん初めの仮面ライダーのリメイク作だが、映画というよりも30分のテレビ番組を4本続けて見た感覚がいちばん近い。
それでもテレビ画面サイズで見るよりも、スクリーンで観るのがいちばんシックリくる。またどこかの映画館でかかることがあれば、フラッと見に行ってしまうだろう。
そういう不思議な画面の魅力を持った映画だった。
次回作が楽しみでしょうがない。

 

アラビアンナイト 三千年の願い》
正直、ティルダ・スウェントン…”ティルダ様”目当てで観に行ったのだけれども、映像の美しさに心を奪われた。
ジンの語る幻想的な世界ももちろんだけれども、空港、講演しているホール、バザール、そしてホテルの部屋。すべての画面の色味と構図が、気持ちいい。
正直、話自体はハッキリしないことが多い。アリシアの行動原理は何か、なぜジンは数奇な体験をしつづけたのか、そもそも、ジンは存在したのか?
ジン自体は現実には存在せず、アリシアの内面が具現化された世界とも見ることはできる(アリシアのクセ/貧乏ゆすりとかは、ジンの話中に登場する各キャラクターに細かく反映されている)。
でも、そんなことは些末なことでしかない。よくわからないから面白い。面白いから、何度も繰り返し観てしまう。
これをミニマムな言葉で語ってしまうなら、愛のひとつの形なんだろう。
不思議と落ち着く映画で、これからも時々、思い出したように見返すだろう。

 

ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り》
ついにD&Dが映画になった!(実際は4回目)
今までの3作はゲームに寄せていたが、今回は映画に寄せていた。
映画の文法に、細かいギミックとしてゲームの世界観や用語、魔法や能力、モンスターなどが上手くはめこまれている。
正直、画面はチープだ。同じ”ファンタジー”枠のLotRハリー・ポッターと比べると、セットや衣装は数段落ちて見える。
でも、これが「今回のDMの提供するゲームの世界」だ。(DM:ダンジョンマスター。D&Dのゲームを遊ぶ際の監督みたいな存在)
チープでもすべてがまとまっており、登場するキャラクターがその世界で生きることを楽しんでいる。
これはゲームでいちばん重要なことで、映画でもその思いが強く伝わってくる。
ゲームを遊んだことがある人にはもちろん、はじめて知る人にもオススメできる映画。

《ザ・フラッシュ》
ヒーロー映画のひとつ。
いまや数多くのヒーロー映画が作られているが、極論を言ってしまうと、ヒーロー映画にはある程度の決まった文法がある。
それは、「ヒーローが困難に出会い、なんやかんやで解決する」こと。
しかし、この映画は違う。解決しない。
なんなら、ヒーロー自身の手で、解決しないことを選ぶのだ。
今作のヒーローであるフラッシュは、高速で移動する能力を拡張しつづけ、ついには時を移動する能力を手に入れる。
そこで、過去に戻り、自身の母親が殺害される事故を回避できないかを試行錯誤する。
これが今作での”困難”だが、先述したようにフラッシュは解決できない。
時を戻し、過去を変えることで他の事柄が歪み、つじつまが合わなくなっていく。チャレンジを繰返すのだが、諦めることが最も正解に近いと気がつく。
結果として、フラッシュは母を救えなかった世界に戻ることを、自身の手で選択する。
…こんなヒーローものがあるだろうか?あるていど何かを解決できたように見せているが、その実ヒーロー自身に大きな傷を残し、それを受け止めて支えてくれる人も居ない。
はやく、この映画の続きを観たい。彼の困難を、誰が、どうやって取除くのか、楽しみに待ちたい。

 

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル》
年老いて、定年を迎えるインディ・ジョーンズが最後の冒険に出かける話。
物語の最後、インディは時を超え、古代ギリシアの戦争(ポエニ戦争?)の地に降り立つ。なんなら、アルキメデスと対面する。
そこで「ここに残りたい」と渇望するインディの気持ちが強くわかり、泣きながら映画館を後にした。


トランスフォーマー/ビースト覚醒》
ロボットヒーローものの、新シリーズ。
クライマックスのやりとり、
「やめてくれ、なんでも望むものをやるから!」
「おまえの命だ!!!!(被せ気味の玄田哲章ボイス)」
…で、なんかしらん感情でボロボロ泣かされた。
ありがとう、玄田哲章。あなたのおかげで、これからもすこしだけ強く生きていける。

 

《マーベルズ》
これもまた、勝ってもいないし負けてもいない、不思議なヒーロー映画。
MCUらしく、他の作品に続くフックの多い作品なので、残った問題は他の作品で解決されるんだろう。
今作で集まって、意志をつないだ3人のヒーローが、どんな形でまた集まるのかが楽しみ。

 

===
こう見返すと、見ごたえのあるアクションものが増えたな、という印象。


ちなみに、もっとも見返した映画は「ドクターストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」。
2022年のヒーロー映画だが、濃厚サムライミ節でサムライミの新作映画としか言いようがない。
そして、これもオチが非常にヘビー。子供を求める親に、子供からの拒絶を与えて正気を取戻させるという、これ以上ない悲しい結末を迎える。
それでいて不思議なさわやかさがあり、何とはなしに見返してしまう。

ONE D&D Player's HandBookのデータを読む話

One D&Dのプレイテスト用データとして、プレイヤーズハンドブック(PHB)が公開された。
PHBはプレイヤーがキャラクターを作成したり、実際のゲームでの判定方法などがまとめられている。今までのデータとあわせて、モンク以外のデータがおおよそ出そろった。
データはこちら(要登録)。

https://www.dndbeyond.com/sources/one-dnd

 

いくつか魅力的なデータ(魔法使いが魔法をアレンジできる!)はあるが、その中でも特に目を引いたのは武器データの変更。
今回の変更で、各武器に”マスタリ”の項目が設定され、一定の条件を満たすとこの能力を使用できるようになった。
実際ゲームを遊ぶ時にいちばん大きな影響を与えそうなため、どんな能力なのかをまとめてみる。
以下、能力などをメモする。

 

(マスタリを使うための条件)
マスタリを使用するためには、Weapon Masteryの能力を習得する必要がある。
現時点での修得方法は、大きく以下の3種類。

・ ファイター 1Lvで修得  3種類の武器のマスタリ

・ バーバリアン 1Lvで修得 2種類の武器のマスタリ

・ Weapon Masterの特技/Featを修得 ひとつの武器のマスタリ

ファイター、バーバリアンと同じ”Warrior(戦士系)”のカテゴリに分類される、モンクがどうなるかは不明。おそらく、同じように幾種かのマスタリがもらえるのではないかと思われるが……

これらのマスタリは、個別の武器1種につきそれぞれ設定する。
例えば、”ダガー”のマスタリ、”ロングソード”のマスタリ...…というように。
また、マスタリは大休憩/Long Restごとに再設定できる。前回まではロングソード・マスターだった人が、イマイチだったから…とか、新しく魔法の武器を手に入れたから…などの理由で、気軽にダガー・マスターとかに切り替えることができる。
GMの負担が減るし、プレイヤーも対応しやすく、けっこう便利。

 

(マスタリで使用できる能力)
マスタリで使用できる能力についてまとめる。
正確には、各マスタリ能力ごとに ”近接武器で” ”重量があって”…のような条件が書かれているが、現時点では武器リストにすべて記載されているのであまり気にしなくてもよさそう。
(マスターがオリジナルの武器を出したり、既存の魔法の武器に能力をあてはめる時のための基準か)

クリーブ/Cleave
薙ぎ払い
近接武器攻撃が命中した際、5Ft以内の別の対象に再度攻撃判定を行うことができる。
命中した場合、ダメージを与えることができるが能力値ボーナスを加えることはできない(ボーナスがマイナスの場合は減少する)。
この効果による追加攻撃は、1回/ラウンドまで。

 

フレックス/Flex
臨機適応
片手でのみ装備していた時(片手に武器、逆手に何も持たない状態)、Versatileで示されているダメージを与えることができる。
(例:ロングソードなら、基本ダメージが1D8 → 1D10に増える)

 

グレイズ/Graze
擦り傷メイカ
この武器攻撃を使用して攻撃を外した時、命中判定に使用した能力値ボーナス分のダメージを与えることができる。ダメージ種別はその武器と同じものになる。
この効果で与えるダメージは、能力値ボーナスのみ(スニーク、バーバリアンの激怒などの追加はできない)。

 

ニック/Nick
刻み攻撃
軽武器(Lightカテゴリの武器)を使用して追加攻撃/extra attackを行う際、ボーナスアクションを使用せず攻撃アクションの一環として行うことができる。
この効果による追加攻撃は、1回/ラウンドまで。

 

プッシュ/Push
突きとばし
武器攻撃が命中した際、攻撃者から離れる方向に10Ft移動させることができる。
攻撃者より、1段階おおきい対象まで効果がある。

 

サップ/Sap
なぐりたおし
武器攻撃が命中した際、攻撃を受けた対象は次の(1回の)攻撃は”不利”扱いとなる。
この効果は、攻撃者の次のターンの開始時まで持続する。

 

スロウ/Slow
遅延化
武器攻撃が命中し、ダメージを与えた時、攻撃を受けた対象の移動力を10Ft下げることができる。
数度攻撃しても、この効果が重なることはない。

 

タップル/Topple
ダウン攻撃
武器攻撃が命中した際、対象を伏せ状態にすることができる。
攻撃を受けた対象は、耐久力で DC:8+習熟ボーナス+攻撃に使用した能力値ボーナス のセーヴィングスローを行う。失敗すると、対象は伏せ状態になる。

ヴェクス/Vex
イラつかせ
武器攻撃が命中し、ダメージを与えた時、攻撃を受けた対象に対して次の(1回の)命中判定に有利を得ることができる。
この効果は、攻撃者の次のターンの開始時まで持続する。

 

(各能力を使うとどうなるか?)
マスタリを持ったキャラクターが攻撃するたび、なんらかの追加効果が発生する。
つまり、今までは
 命中判定 → あたったかを確認 → ダメージを決める → 対象のHPを減らす
……の流れだったのが、最後に追加の効果のチェックが入る。
そのため、行動の処理に時間がかかるようになる。
ひとつひとつの行動の処理に時間がかかると、全体のプレイ時間が長くなることにつながる。時間が長くなると、ゲームとしてはダレる。データ的には面白いが、ゲーム的にはイマイチ。
データと、処理にかかる時間とを、うまくバランスの取れた形に整えて欲しい。

(実際に使うと、どの程度の影響があるか?)
能力により、かなり効果に差がある。

例えば、フレックス/Flexの効果はダメージダイスが1段階変わるが、実質的な効果はダメージが1点伸びることに近い。
(ロングソードの1D8の期待値は4.5点、1D10の期待値は5.5点。クリティカルでダイスが2倍に増えても2点差でしかない)
装備のしかたに制限があるのに、他の効果に比べるとかなりおとなしく感じる。フィートを組合わせると、何らかの伸びしろがあるんだろうか……?

いくつかの能力のなかで、自分が特に効果をあげそうと感じたのは以下の3種。
・ニック/Nick
・プッシュ/Push と スロウ/Slow
・グレイズ/Graze

 

ニック/Nickでできそうなこと
3回攻撃
二刀流のルールが微妙に変わっており、武器の特性である軽武器/Lightに集約された。
軽武器/Lightの特性は、以下のとおり。
 ・ 軽武器が命中した時に、追加攻撃/extra attackをボーナスアクションで行える
 ・ 追加攻撃は、別の軽武器でなければならない
 ・ 追加攻撃のダメージに、能力値ボーナスを加えることはできない(ボーナスがマイナスの場合は減少する)

つまり、1回目の攻撃/右手の軽武器 → ボーナスアクションで2回目の攻撃/別の軽武器という流れになる。
ニック/Nickは2回目の攻撃をボーナスアクションを使用せずに行える。この2回目の攻撃も軽武器で行うため、もう一度追加攻撃の機会を得ることになる(軽武器の追加攻撃に、1回/ラウンドの制限がないため)。
3回攻撃を行うと、例えばシミター(1D6ダメージ)を使うと、3回とも命中するとして3D6+能力値ボーナスのダメージを与えることができる。
専門なら能力値ボーナスが+3程度あるはずなので、3D6+3/期待値で13点ぐらい。

なお、戦士系などが1Lvで修得できるフィートのFighting Style:Two Weapon Fightingを習得すると、追加攻撃にも能力値ボーナスを追加できる。
その時は3D6+9点/期待値で19点。
バーバリアンの激怒(+2/25点)や、レンジャーのハンターズマーク(+1D6/29点)を追加するとさらにダメージが伸びる。
ラウンド毎の回数制限のないダメージ増加は怖い。しかしホントーにここまでダメージが出るのか、コレ……?

なお、追加攻撃は”別の”軽武器なので、フィートなどで武器の準備に行動を使用しないなら片手だけで3回攻撃できるはず(要確認)。盾を構えたり、呪文を使うために片手を開けたままにできるならば非常に便利。
(もしかすると、differentは”別種類の武器”≒逆手に別種の武器を装備する意味で書いているのかも?だとすれば、another typeとかに書きぶりを変えてくれたほうがわかりやすいが……)

 

プッシュ/Push と スロウ/Slowでできそうなこと
状況次第なものの、移動ハメ
10Ft移動させ、10Ft移動力を下げる。加えて、移動させる能力はラウンド毎の回数制限もないので、攻撃回数が増えると移動と組合わせて相手をドリブルすることもできる。
今までは前線を維持する能力が低めだったが、この能力をうまく使うと後衛に敵が進むのを阻止しやすい。
なお、間合い武器であるパイクでも使用できるので、フィート/長柄の達人と組合わせると近づいてくる相手を機会攻撃で押し返すこともできる。

グレイズ/Grazeでできそうなこと
他の2つの能力と比べると地味だが、攻撃を外しても3-4点のダメージを与えることができると考えると魅力的。
マジックミサイル1本が1D4+1点なので、削り能力としては破格。
ただし、使用できる武器がかなり限定される(現時点で、グレートソードとグレイブのみ)のが難点。

(結局は……)
色々書いてみたが、結局は自分の好みの武器を使うことになるだろう。
ただ、武器間のデータ差だったり、他の能力と組合わせた時の伸びしろだったりと、データの整合が取られているか疑問に思う点も多い。
さらに、特技や能力名が一部被っているところもあるが、そのあたりの整合もおいおい取られるのだろう。
プレイテストが終わる半年後には、どのクラスも、能力も魅力的なものになることを祈っている(祈るしかない)。

あと、ドルイドのデータは早急に見直してほしい(繰返し)。
これだけ周りが変化しているのに、何も変化がない(穏便な言い方)のは厳しいですぜ……なぁ、ローグさんもそう思うだろ……?

シン・仮面ライダーが面白かった話

(2回目を観て、少し修正)

 

シン・仮面ライダーを観てきた。
庵野秀明の”シン”シリーズのひとつだが、自分には面白かった。

 

仮面ライダー」と聞くと、子供向けのヒーローものか?と身構える人も多いだろう。
だが、この映画は
 ・ 仮面ライダーをはじめとする、ヒーローものをまったく知らない人にも
 ・ MCU(マーベル/アメコミの映画。アイアンマンとかの)は知っている人にも
 ・ 今の仮面ライダーを知っている人にも
 ・ そしてもちろん、昔の仮面ライダーを知っている人にも
楽しめる作品になっていると思う。

 

さて、ここからネタバレ……つまり、この映画は情報をしらないほうが楽しめる要素があるということだ。

 

 

 

 

===
この映画は、全部で5枠の話で構成されている。ひとつの話が25分ぐらい、テレビの1話ぐらいの時間に相当する。
上記の「楽しめる」のは、2話まで。ここまでは憂いを帯びたヒーローものとして、そしてアクションものとして、誰でも間違いなく楽しめる。

その様子は、公開されている冒頭のシーンで余すことなく披露されている。
(いやしかし、この登場シーンは何度見返しても気持ちいい)

www.youtube.com


しかし、3話…ハチオーグ戦から、すこし様子が変わってくる。
そも、この映画の時間では大目標である”ショッカーの目的を砕く”ことはできない。
であれば、どうなるのか。答えは現時点でいちばん問題になるオーグであり、ルリ子の懸念であり、緑川家の因縁である、チョウオーグ…イチローを止めることに終始する。
この話は、唐突感を否めない。そのうえで、ルリ子を失い、その遺志を成し遂げるために死地に向かうことになる。


この作品には、シンゴジラのように誰でも(ゴジラを知らなくとも)楽しめる気持ちよさは少ない。シンウルトラマンのような、観終わったあとの不思議なさわやかさも少ない。
このなかには本郷のぎこちない優しさ、そしてその遺志を受継いだ一文字の”強さ”という形での優しさ、つまり初代仮面ライダーの、いちばん仮面ライダーらしいところをみることができる。

チョウオーグを下し、「なにがなんでも」つまり自分の命を捨ててでも目的を果たした本郷が、最後に振りむいた姿は、寂しさに加えて少しの喜びがあったように思える。それは、自分の抱えたトラウマである人を助けることと、そのために命を投げ出すことに彼なりの答えを得たからではないか。

最後のシーン。ふたりが風を感じるためにアクセルを開くシーンで、不思議とボーっと涙を流してしまった。

===
自分は、この作品が”映画として”面白いのかわからない。
ただ、”仮面ライダーとして”はこれ以上ない、大傑作だと思う。いいものを観れた。
(コレと同じような映画は、原作モノに時々ある。例えば、アイドルマスターの劇場版は、自分は映画として楽しめなかった。だが、2回目に”プロデューサーとして”…物語の一部であることを意識してみることで心の底から楽しめた。何度見ても不思議な作品だ)

この感覚が自分の思うものかどうか、もういちど映画館で楽しんでこようと思う。
そして、続編に期待したい。

 

(2回目を観てきたので、追記)
この映画は、全体にわたって過去の仮面ライダーを強く意識している。
それも、テレビで放映されたいちばん有名なあの姿だけでなく、原作である石森章太郎のマンガ版をコアに据えている。もちろん、「ココは〇〇にでてきたあの画面を/セリフを再現している」…というような見方もできる。
ただ、それはトリビア…つまり、些末なことだ。その些末なものがギチギチに詰まり、画面にあふれているのが今作だ。
あふれかえったその画は、仮面ライダーの映画として強く心に刻み込まれた。

すごくいい映画を観れた。監督や映画を作られた面々には「ありがとう」の言葉しかない。



……続編があるのかって?
あれだけ「帰ってくる!」って歌っていたじゃない。MCUだってあんなに次があることをアピールしませんぜ?

www.youtube.com

 

ONE D&D Playtestにフィードバックをだしてみる話

現在、D&D5版のアップデート版として、”ONE D&D”と呼ばれるテストデータが展開されている。
詳しくはココ ↓

https://www.dndbeyond.com/sources/one-dnd

公開された新データは”フィードバック”として、WotC社に意見を送ることができる。


で、だ。
今回(2023.2月)に、ドルイドパラディンをコアとしたデータが公開された。
このドルイドのデータにかなり難があるため、意見を提出してみよう…というお話。

こういった形で公式に意見を出す経験が少ないこと。
また、自分は英語の文作成がニガテなことから、あらかじめメモ的に作っておこうと。
(文もだけど、話するのもニガテ。オーガ英語ならかろうじてレベル)

最近は、翻訳ツールもかなり便利に使えるようになっている。
臆せず、まずはやってみよう。

 

===

(要望)
今回発表された、ドルイドのデータはかなり面白い変更がなされたと思う。
そのうえで、データをさらにドルイドらしい能力になるように、以下の2点の変更を要望する。

 

1. NATURE’S AIDのHealing Blossomsの回復効果を、追加HPを与える効果に変更してほしい。
クレリックの純粋な回復能力と差別化でき、自然の持つ回復力のイメージにもそぐうのではないだろうか。

 

2. Wild Shapeの能力で動物に変身した際に、動物のもつ特殊能力からひとつを選んで使用できるようにしてほしい。特殊能力とは、例えばライオンの”飛びかかり”、毒蛇の”毒”、タコの”つかみ”など。
今のWild Shapeでの変身は非常に便利だが、外見が異なるだけで個別の動物らしさが少ない。特殊能力から選択する方法ならば、プレイヤーの負担も少なく、動物の特徴をだせるのではないかと考える。

 

(対訳)
There have been very interesting changes to the Druid data released this time playtest data.
The following two changes are then requested to further make the data even more Druid-like in its capabilities.

1. Please change the recovery effect of Healing Blossoms in NATURE'S AID to an effect that gives Tempolaly Hit Points.
It would be able to make a differentiation between the Cleric's pure recovery ability and would fit in with the image of nature's resilience.

2.  Please change the Wild Shape ability to select one of the animals' special abilities when transformed into an animal. Special abilities include, for example, a lion's "pounce," a viper's "venom," and an octopus's "grab".
Current transformations in Wild Shape are very easy to use, but the animals are only different in appearance and less unique to the individual animal. The method of selecting from special abilities would be less stressful for players and would allow them to make the animal's characteristics more apparent.

 

===
いやぁ、英語に翻訳する前提なのでガチガチの日本語ですなぁ。
対訳のブラッシュアップは後日。これで、出先でもコピペで提出できますな。

===
さて、ここからはどうでもいい話。
自分は、公式の展開したデータに対してフィードバック…いわゆる自分の意見を申告することは、まずない。
データが変更されたとしても「それはそれ」で自分なりの楽しみかたを見つけるからだ。

 

では、なぜ今回は公式に意見しようと思ったか。
それは、新しいドルイドのデータに目立った特徴がない……正直、戦闘能力が低いため、使用されない……最悪、D&Dのクラスから消えることを危惧しているからだ。
”アーディング”という今回のテストで追加された新種族が、テストの途中で採用されないことになったのも危機感を加速している。

 

新しいドルイドのデータは、ほとんどがWild Shapeに関する能力で占められている。
これは、実のところ今の/5版のドルイドも変わらない。ただし、今の/5版のWild Shapeの能力自体が「扱いづらいけれども便利」なため、魔法をメインに使うドルイドでも使う機会があるものになっている。

だが、新データで変身後の姿を一般化した結果、魔法をメインに使うドルイドは、まず変身することはないだろう。魔法使いに魅力的であるHPの疑似的な増加もなくなり、能力値の変化もあまりない。もちろん魔法は使えないとなると、シナリオの都合…例えば道中を便利に進むなどのちょっとした理由以外で変身することはなくなる。そんな能力で埋められても困ってしまう。

 

ただし、上記は欠点の話だ。
意見として、クラスの魅力をだすならば今ある長所を伸ばすのがいちばんだろう。
……と考えて、今回追加された範囲回復能力の改変と、変身することに多少の意味があるようになることを期待して、2つの要望を出そうとしている。

 

これが反映されるかはわからない。
そも、フィードバックがどのように意見を吸い上げるのかもわかっていないからだ。
(声が大きい ≒ 意見としての数が多いものしか検討されないのかもしれない)
それでも。
意見をださずにはいられない。次のD&Dでも、自然を愛するドルイドで遊びたいからだ。

 

新データで、次も楽しく遊べますように。

シン・ウルトラマンが面白かった話

5/13に、シン・ウルトラマンが公開された。
この作品を、心底楽しみにしていた。世界でいちばん特撮を、ウルトラマンのことを好きな2人組。庵野秀明が脚本を書き、そしてついに樋口真嗣が特撮映画を監督するからだ。

 

以下、感想。

うーーーーーん。
自分は基本的に、感情でものを書くのがニガテで。
”好き”だというのも、なぜ好きなのか、自分で分析しないと気が済まない。

なんだけど、この作品については「すげぇ好きだわ」としか言いようがない。
いくつか理由を書き並べてみたけれども、上滑りする。
こんな不思議な優しさと心地よさを感じさせてくれる、この映画には感謝しかない。

初回観終わって、なんで泣いているのかわからないほど心を動かされて。
2回目を観終わって、ウルトラマンの限りない優しさに気づかされて。そしてまた、何かのタイミングで観に行きたいと考えている自分がいる。

ウルトラマンっていったい何か?
自分はヒーローもの、つまり理不尽な暴力やお互いの生存理由から相いれない怪獣から、力を持つからこそ人間を守ってくれる存在と考えていた。
しかし、それは少し違った。
仲間を守り、群れで動き、それが心地いい「人間」という他者と、ウルトラマンという(人間の立場から見ると)孤独な存在の交流が主軸となっている。
交流の結果、お互いを尊重し、守りたいという立場から共闘する。
そういう物語だと気づかせてくれた。

気づかせてくれたことに感謝。
そして「ウルトラマン好きだぞ!」といたるところで画面に見せてくれる、その心意気に嬉しさしかない。

 

あぁ、もっとこの続きが見たい!
難しいかもしれないけれども、禍特対の活躍と、さまざまな智謀を巡らせ地球に襲来する侵略者たちの姿を、みたくてしかたがない。

 

===

細かいシーン、あのキャラのアレがとか、あのシーンの流れがとか言い出すときりがない。
というか、全部のシーンが好き。
特に、室長がいい。ザラブが来訪した瞬間、班長が銃を抜こうとするのを止め、来訪の目的を言葉で確認するところ。
米軍機での爆撃費用をそっと防衛省に回すところ、外星人の科学力に打ちのめされるチームメンバーを元気づけるところ。

すべてにおいて、ツボに入った。

 

===

…で、だ。
ここまでベタホメしておいて、ヤボな話だけれども。

この映画を「樋口真嗣監督作品」と、どの程度のひとが認識しているのだろう。
そもそも庵野秀明が”監修”として手を入れており、どうも追加撮影や編集に大きく手を入れているらしい。

シンゴジラの時も(メイキングでその姿が映っているが)、監督というスタンスながら場のコントロール庵野自身が取っていた。

樋口真嗣のコントロールした作品が観たい。
もっと踏みこんで言えば、樋口真嗣が好きなように撮る、新しいガメラが観たい。
平成ガメラを超える作品を撮れるのは、樋口真嗣自身しかいないのだから。

アイの歌声を聴かせてを観てきた話

なんとなくツイッターで流れてきて、タイミングがあったので映画館で観てきた。

こんなお話。

 

ainouta.jp

 

しかし、自分は理屈でものを考えるので、感情がどうのという話には縁遠い。
なので、この話のキモであるシオンのもたらすいいお話については触れづらい。

 

自分がいいな、と感じたのは開幕。
AI管理がすすんで、昭和のたたずまいの家にもAIコントロールが普及している未来のお話を描いている。
朝のアラームと同時に、カーテンを開ける、窓をあける、電気をつけるなどのケアから、朝食の準備のサポートもあり、家のロックも管理している。
この光景を実際に見ることができるのは、5年後ぐらいだろうか。
早く現実になるといいなー、と思うのと同時に、こうやって映像化されると意識が共有できる…つまり、「AI管理が導入されるとどうなるのか?」というイメージが現実と地続きになる。
このこんな風になるといいな、という感覚から現実につながる可能性が示される空間が、たまらなく心地よかった。

さて、この話はAIであるシオンと、人間の関係が話の中心に据えられている。
つまり、人間型のボディを手に入れたAIが、人間とコミュニケーションをとることで人間側の認識を変えていく。
じゃあ、AIが人間型でなければ、人間は認識を変えないのだろうか?
序盤で高校生徒にイジめられる掃除ロボットがでてくるが、このロボットとシオンが同じものという認識を持てる人間がどのぐらいいるんだろう?

 

もうひとつ。
今回のAIは”いい人”…つまり、人間のミカタをしてくれる存在だった。
じゃあ、真逆に。人間に害をなすものとして存在した場合、そのAIをひとつの存在として認めるのだろうか?
(認める、という言い方自体が人間のほうが上。造ったものという考えでヤだけどね)

 

エンディングテロップを眺めながら、そんなトゲがチクチクと気になってしかたなかった。

 

===

余談。
田植えロボットが働く試験場の看板が、佐渡島のトキに対する注意書きそっくりだなー、と考えながら見ていたら、本当に佐渡島で笑ってしまった。
パンフの取材協力をみるに、佐渡島と埼玉の混合のようで。
技術テスト的にも、田舎のほうがサックリ変えられるのかもなぁ…

 

もうひとつ。
AIの”シオン”の名前はどこまで意識されたものなんだろう。
失われた故郷に帰る…とか考えはじめたけれども、劇中にはなにもつながりはないし陰謀論レベルの与太かな。

パスファインダー キングメーカーを遊び終えた話

キングメーカーに日本語版がでたので、延々と遊んでいた。
発売されたのが5/13だった記憶なので、2か月ほど。総150時間ぐらいでクリアできた。

 

公式サイトはこちら。元はsteamで販売されており、DMM版≒日本語版を入手するとsteamも日本語化されるらしい。

pathfinderkingmaker.games.dmm.com

 

このゲームは、TRPG…みんなで集まって遊ぶちょっと変わったボードゲームみたいなのを元に作られている。
自分が150時間も同じゲームを遊び続けれたのは、TRPG版が好きだったからというのもある。けれどもそれ以上にゲームとしての魅力もたっぷり詰まった作品だった。

 

ただ、だ。
このゲームを無条件に「面白いから遊んで!」と人に進めることは難しい。
いくつか理由はあるが…
 ・ ゲーム自体が非常に長い
   1回のプレイ時間も1-2時間と長めになるため、時間の余裕が必要
 ・ データが多い
   元のTRPGからして、データが山盛。ゲームに落とし込む際に必要なものに絞り込まれているが、それでもかなりの文字を見比べる必要がある
 ・ なんか操作感が悪い
   クォータビュー式のストラテジーに近い…のだけど、移動やターゲット指定でゴチャつく時がある
 ・ ゲームがダウンしやすい
   どうも落ちやすいらしい(他人事みたいに書いているのは、自分/PS4版では4-5回しか落ちなかったため)。おそらく、データ処理が重い敵や特殊能力をつかうと落ちる様子
 ・ 攻略がほぼない
   steamの掲示板でのやり取り(英語)しかなさそう。詰まった時に超困る

…ぐらい。


書き上げてみて、おいおい結構あるな…と我ながら思ってしまった。
こんなに欠点あるのに面白いの?と聞かれても、少なくとも自分には面白かった。
例えば、
 ・ 見たことがない土地の探索
   白紙の地図を眺めて、このへん行ってみようかなーとウロつく楽しさが
 ・ 見たことのない強敵との戦い
    本当に「こんな敵アリかよ⁉」と言いたくなるレベルの強敵が。日本人の感覚ではなかなか出てこない作りの敵も多く、撃破した時の爽快感が強い
 ・ 魅力的な仲間との出会い
    下記ページの最下部に、出会うことのできる仲間…コンパニオンたちが紹介されている。…クセが強いキャラぞろい、だけれども、だからこそ冒険のなかで少しずつ明かされる彼らの背景に強く惹かれる

pathfinderkingmaker.games.dmm.com


===
(以下ネタバレを含む)
ただ、ね。
自分にとっては容認しがたいこともあった。

それはコンパニオンがイベントで脱落すること。ぶっちゃけ死亡して二度と帰ってこない。
しかも条件が相当に理不尽。コンパニオンごとのイベントにおいて、ベストな選択肢を選べていないと死亡確定するようだ。
つまり、この点において選択の自由がまったくない。
とくにリンジィにおいては、帰ってこれない(本と一体化する可能性)は示唆されていた。だがそこをなんとかするのが物語だろう…と。

正直なところ、ここで放り投げるか悩んだ。悩んだけれども、それで何かが変わるわけじゃないと先に進んだ。結果、灯篭王は撃破できたが、ナイリッサは無限の戦いに囚われることになった、らしい。

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色々書いたけれども、気持ちが落ち着いたら、時間の余裕ができたらまた遊びはじめるんだろう。
その時には、自分の望む形でエンディングを迎えられるように努力したい。

 

 

…え、第2弾がでるんですか?9月に?
こちらも日本語になるといいなぁ…

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